新しいローマ字の基本(文化審議会答申・令和7年)
1. 基本方針
新しいローマ字のつづり方は、現代の日本語を社会生活の中で分かりやすく表すための
共通のよりどころ(ガイドライン)です。
- 法令・公的文書・案内表示・報道などでの使用を想定
- 個人利用や専門分野まで強制するものではない
- これまで使われてきた表記を否定しない
2. 五十音の基本表記
社会で広く使われてきた表記が、正式なルールとして採用されました。
- し → shi
- ち → chi
- つ → tsu
- ふ → fu
パスポートや道路標識など、すでに定着している表記との整合性が重視されています。
3. 同じ音は同じつづりに統一
現代の共通語で発音が同じ音は、表記も一つにまとめられました。
- じ・ぢ → ji
- ず・づ → zu
4. 撥音(ん)と促音(っ)
撥音「ん」
- 後ろの音に関係なく、常に n と書く
例:anman(あんまん)、kanpai(乾杯)
促音「っ」
- 後に続く子音字を重ねて表す
例:zasshi(雑誌)、teppan(鉄板)、nicchoku(日直)
5. 長音(のばす音)の基本【最重要】
長音については、次の2通りの書き方が正式に認められました。
① 符号を使う方法
- 母音の上にマクロン(¯)を付ける
- 必要に応じてサーカムフレックス(^)も使用可能
例:kāsan(母さん)、Tōhoku(東北)
② 母音字を並べる方法
- 現代仮名遣いどおりに書く
- ローマ字入力に慣れた人に分かりやすい
例:kaasan(母さん)、Touhoku(東北)
どちらの方法も正しい表記として公式に認められました。
6. イ列・エ列の長音
イ列の長音
母音字を重ねて書くのが一般的です。
例:shiitake(しいたけ)、niisan(にいさん)
エ列の長音
- 「えい」と書く語:ei(例:tokei、Heisei)
- 「ええ」と書く語:ē または ee(例:nēsan / neesan)
7. 文を書くときの基本ルール
- 音の切れ目を示す:アポストロフィー(例:tan’i、sen’in)
- 語のまとまりを示す:ハイフン(例:Kutani-yaki)
- 固有名詞・文頭は大文字
- 句読点はコンマ(,)とピリオド(.)
- 助詞は発音どおり:は=wa、へ=e、を=o
まとめ
新しいローマ字の基本は、
人々が実際に使っている表記を公式に認め、特に長音について柔軟な選択肢を示した
点にあります。
この基準は、今後の公的表示や情報発信において、分かりやすく安定した土台となるでしょう。
御殿場のローマ字表記について
御殿場のローマ字表記は「Gotemba」が最も適切です。
用途によっては GOTEMBA(全大文字)も使用されます。
*御殿場市ではGotembaでもGotenbaでもどちらとも正規表現として認めています。
理由
1. 新しいローマ字の基本ルールとの関係
新しいローマ字のつづり方では、撥音(「ん」)は常に n と書くのが基本です。
そのため、規則通りに表すと
ごてんば → gotenba
となります。
2. 社会的に定着した表記の尊重
一方で、文化審議会答申では、
すでに社会的・国際的に定着している表記については、直ちに変更を求めない
とされています。
御殿場については、駅名、観光案内、自衛隊関係、ウェブサイト、ドメイン名などで
Gotemba が長年使用され、広く定着しています。
表記の使い分けの目安
- 公的文書・案内・一般的な英語表記:Gotemba
- ロゴ・見出し・デザイン用途:GOTEMBA
- ローマ字規則の説明・学習用:Gotenba(参考表記)
まとめ
御殿場のローマ字表記は、
実用性と定着度を重視して「Gotemba」を用いるのが最適です。
新しいローマ字の基本ルールに照らしても、
定着した地名表記を尊重するという考え方に合致しています。

