【知識は命を守る】今回の地震で知った「後発地震注意情報」を徹底理解し、備えを強化する | G-news:ごてんばニュース

【知識は命を守る】今回の地震で知った「後発地震注意情報」を徹底理解し、備えを強化する

今回の北海道・三陸沖地震をきっかけに、多くの方が初めて耳にしたであろう「後発地震注意情報」。これは、私たちが直面する可能性のある巨大災害への備え方を変える、極めて重要な情報です。この情報を深く理解し、今後の防災意識と行動に結びつけるために、その全貌をまとめました。

新しい防災の枠組み:後発地震注意情報とは何か?

この情報が運用開始された背景には、2011年の東日本大震災のようなプレート境界型地震では、ごく稀に「前震(大きな地震の前に発生する地震)」の後に、さらに大きな「本震」が起きる可能性があるという科学的な知見があります。このリスク、特に日本海溝・千島海溝沿いで発生が懸念される巨大地震に対して、先んじて備えるために、2022年12月より運用が開始されました。

1. 発表のトリガー(先発地震)

情報発表のきっかけとなるのは、想定されている巨大地震の震源域やその周辺で、モーメントマグニチュード(Mw)7.0以上の地震が発生した場合です。このMw7.0という規模は、すでに広範囲に被害をもたらす可能性を持つ大きな地震ですが、これが「より大きな地震の予兆かもしれない」という可能性を示唆します。

2. 発表の趣旨と科学的根拠

「後発地震注意情報」が意味するのは、「巨大地震が発生する可能性が、平常時に比べて相対的に高まっている」という極めて限定的な注意喚起です。気象庁や専門家は、過去の事例から、この注意情報が出た後に実際に巨大地震が発生する確率は非常に低い(概ね100回に1回程度)と説明しています。しかし、その「1回」が起きた際の被害の甚大さを考慮し、社会経済活動を維持しつつも最大限の警戒を促す、極めて異例の対応といえます。

3. 期間と対象地域

この注意情報が有効な期間は、先発地震の発生から概ね1週間とされています。対象となるのは、千島海溝・日本海溝沿いの巨大地震による津波や揺れの被害が想定される広域な地域(北海道から千葉県にかけて)です。


情報発表時に私たちが直ちにとるべき「特別な備え」

「後発地震注意情報」は、巨大地震発生の切迫度を示すものではありますが、避難指示ではありません。しかし、次の巨大な揺れや津波がいつ来てもおかしくないという緊張感を持ち、「1週間限定」の特別な防災体制をとることが求められます。

1. 命を守るための即応態勢の確立

  • 非常持出品の携帯: 防災リュックや最低限必要なものを、自宅内の手の届くところから、外出時は常に携帯するよう習慣づけましょう。
  • 就寝時の工夫の徹底: 避難時の時間を短縮するため、すぐに動き出せる服装で就寝し、ヘッドライトや携帯電話を枕元など、手を伸ばせば届く位置に置きましょう。
  • 情報の常時チェック: テレビ、ラジオ、インターネットなどで常に最新の気象情報や地震情報を確認できる状態を保ちましょう。

2. 日頃の備えの徹底的な再点検

  • 備蓄品の確認と補充: 水、食料(最低3日分、推奨7日分)、電池、カセットコンロ用ガスなどのストックを再確認し、不足分があれば補充します。
  • 家屋内の安全確認: 倒壊の危険性のある家具や家電の固定状況を再度チェックし、特に避難経路となる玄関や廊下に物が散乱していないか確認します。
  • 避難経路の最終確認: 自宅や職場周辺のハザードマップを確認し、万が一の際の最寄りの津波避難ビルや高台へのルートを家族・職場のメンバーと共有し直します。

【特に重要】 情報の発表に関わらず、大きな揺れを感じた場合や津波警報・注意報が発表された場合は、後発地震注意情報が出ていなくても、直ちに高台や避難ビルへ避難してください。これが命を守るための最優先行動です。


「後発地震注意情報」は、私たちに巨大地震のリスクを再認識させ、備えを強化する機会を与えてくれます。この新しい情報を通じて、単なる「防災意識」から「具体的な行動」へと一歩進め、自身と大切な人の命を守るための準備を怠らないようにしていきましょう。


*北海道・三陸沖地震後発地震注意情報-防災対応をとるべき地域:182 市町村(2025年12月9日3時に公表された内閣府公表資料に基づく数字です)



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