高校生にもわかる 現代版ジャーナリズムの10原則
(ビル・コヴァッチ&トム・ローゼンスティールの考えをもとに)
真実を追い続けること
まず大切なのは「本当のこと」を知ろうとする姿勢。
ただニュースを流すだけではなく、事実を確かめ、できる限り正確に伝えること。
SNSやAIの情報があふれる今、「何が本当か」を見抜こうとする意志が一番大事です。
忠誠を向けるのは「市民」
ジャーナリズムの目的は、権力者やスポンサーではなく「みんな(市民)」のため。
誰かの利益のためではなく、社会のために公平に伝えることが信頼の基盤になります。
本質は「確かめること」
ジャーナリズムを特別にしているのは「確認する力」。
うわさや印象ではなく、証拠と取材に基づいて確かめる。
リポストや拡散の前に「ほんとかな?」と立ち止まることも、現代の検証です。
取材対象から「独立」を保つ
仲良くなりすぎず、敵対もしない。
権力者や企業と距離を保ち、自由に真実を伝えられる立場を守ること。
「中立」ではなく、「自分の判断で動ける独立性」が信頼を生みます。
権力を監視する
政府や企業だけでなく、今は「アルゴリズム」も新しい権力です。
誰が情報をコントロールしているのか?
ジャーナリズムは、その“見えない力”を見張る目であり続ける必要があります。
社会の「広場」をつくる
いろいろな意見が交わり、考えが深まる場所をつくること。
対立をあおるのではなく、違う立場の人が対話できる場を整える。
これは民主主義の根っこにある役割です。
大事なことを「伝わる形」で
重要なニュースほど、退屈に見えてしまうことがあります。
でも、物語や写真、映像などで「人の心に届く形」にするのもプロの技。
「わかりやすさ」と「正確さ」は両立できます。
バランスを忘れず、全体を見せる
一部だけを切り取ると、真実がゆがみます。
センセーショナルな部分よりも、全体像を伝える勇気を持つこと。
ニュースは社会を理解するための“地図”であるべきです。
良心に従う勇気
組織や上司の指示があっても、自分の良心に反するなら「NO」と言えるか。
自分の中にある倫理観が、信頼できる報道の原点になります。
情報を受け取る「市民」にも責任がある
現代では、みんなが小さな“ジャーナリスト”です。
投稿や共有の前に「事実かな?」「誰かを傷つけないかな?」と考える。
正しい情報を選び取る力=情報リテラシーが、社会を強くします。
まとめ
ジャーナリズムの原則は、「報道の世界の人」だけでなく、SNSを使うすべての人の指針になっています。
真実を確かめること。
独立して考えること。
良心に従うこと。
それが、混乱する情報社会で「信頼」を生み出す力になります。
