知っておきたいSNSの個人情報の取り扱いと仕組み
LINEで「知り合いかも?」に知らない人が表示されたことはありませんか? Facebookで共通の友人がいる人がおすすめされたり、Instagramで自分の知り合いや興味のありそうな人が表示されたりすることもあります。
なぜ、こうしたことが起きるのでしょうか。
実は、LINEやFacebook、Instagramは、単にメッセージを送ったり写真を投稿したりするだけのサービスではありません。電話帳に登録されている人、友だち関係、フォロー関係、投稿の閲覧履歴など、さまざまな情報を使って、人と人とのつながりや興味・関心を把握し、サービスの機能に役立てています。
今回は、普段何気なく使っているSNSが、どのような情報を扱っているのかを整理してみます。
1. LINE・Facebook・Instagramは何が違う?
3つとも人と人をつなぐサービスですが、その仕組みには違いがあります。
LINE:人と人をつなぐサービス
電話番号やスマートフォンの電話帳、友だち追加などを通じて、実際の知り合いとつながることを重視しています。
Facebook:人間関係を広げるサービス
共通の友だち、学校、勤務先、所属グループなどの情報から、知り合いかもしれない人を紹介します。
Instagram:人間関係と興味をつなぐサービス
フォロー関係や連絡先だけでなく、どんな写真や動画を見ているのか、何に興味を持っているのかなども、投稿やアカウントのおすすめに関係します。
同じSNSでも、情報の使い方や目的には違いがあります。
2. なぜ「友だちの友だち」がわかるの?
例えば、自分が直接知らない人が、LINEの「知り合いかも?」に表示されたとします。どうしてLINEは、その人を知り合いかもしれないと判断できるのでしょうか。
その理由の一つが、スマートフォンの電話帳です。
例えば、会社の同僚Aさんの電話番号を、自分のスマートフォンに登録しているとします。LINEの友だち自動追加を有効にしている場合、電話帳に登録されている電話番号がLINEのサーバーに送信され、LINEアカウントとの照合に利用されます。
また、友人から別の人の連絡先を共有してもらうことで、新しいつながりが生まれることもあります。
Facebookでは、共通の友だちや学校、勤務先などの情報が知り合い候補の表示に関係する場合があります。Instagramでは、共通のフォロワーや連絡先に加え、興味・関心などからアカウントがおすすめされます。
つまり、私たちが直接知らない人であっても、さまざまな情報のつながりから候補として表示されることがあるのです。
3. 自分の電話帳にある他人の情報も利用される
ここは特に知っておきたいポイントです。
例えば、会社の同僚100人の電話番号を、自分のスマートフォンに登録していたとします。LINEなどで連絡先の同期や友だち自動追加を有効にすると、その電話番号情報がサービス側に送信され、アカウントとの照合などに利用される場合があります。
つまり、自分の情報を登録しているだけではありません。自分のスマートフォンに登録されている、他人の電話番号やメールアドレスもサービスの機能に関係してくるのです。
もちろん、電話番号がそのまま他の利用者に公開されるわけではありません。しかし、電話帳に登録されている人が、そのサービスを利用しているかどうかの照合などに情報が使われる可能性があります。
ここで考えたいのは、電話帳に登録されている人が、必ずしもそのサービスに自分の情報を提供することを意識しているわけではないという点です。
自分の便利さのために有効にした機能が、他人の情報にも関係している場合があるのです。
4. LINEとメールは何が違う?
LINEとメールは、どちらもメッセージを送るためのものですが、仕組みは異なります。
LINEの場合
- 相手の指定:友だちやLINEアカウントを通じて連絡します。
- 連絡先管理:電話帳との連携や友だち追加の機能があります。
- 通信経路:LINEのサーバーを経由してメッセージを送受信します。
- 暗号化:Letter Sealingなど、機能に応じた暗号化の仕組みがあります。
- 人間関係の把握:友だち関係や連絡先などがサービスの機能に利用されます。
一般的なメールの場合
- 相手の指定:メールアドレスを指定して送信します。
- 連絡先管理:自分のメールソフトや端末のアドレス帳で管理します。
- 通信経路:送信側と受信側のメールサーバーを経由します。
- 暗号化:通常は通信経路をTLSで保護しますが、メール本文そのものが常にエンドツーエンドで暗号化されるわけではありません。
- 人間関係の把握:基本的には、LINEのように友だち関係をサービス全体で管理する仕組みではありません。
ただし、メールも完全に情報が守られているわけではありません。メール事業者は送受信の日時、相手のアドレス、通信情報などを取り扱います。また、通常のメールは通信経路が暗号化されていても、送信者と受信者以外が本文を読めない仕組みになっているとは限りません。
5. LINEのメッセージは暗号化されている
LINEには「Letter Sealing(レターシーリング)」という暗号化の仕組みがあります。これは、送信者と受信者の端末間でメッセージを暗号化し、第三者が内容を簡単に読み取れないようにする技術です。
送信者のスマートフォン
メッセージを暗号化
↓
LINEのサーバー
暗号化された情報を中継
↓
受信者のスマートフォン
メッセージを復号して表示
ただし、LINEのすべての機能が同じ暗号化方式で保護されているわけではありません。また、メッセージが暗号化されていることと、LINEがアカウント情報や利用状況などの個人情報を取得していないことは別の話です。
通信の安全性と、個人情報の取り扱いは分けて考える必要があります。
6. FacebookとInstagramは同じ会社が運営している
FacebookとInstagramは、Metaという会社が運営しています。両方のアカウントを「アカウントセンター」で連携すると、ログインやプロフィールなどの機能をまとめて管理できます。
サービス間の情報利用についても、連携設定や各サービスのプライバシーポリシーを確認することが大切です。
同じ会社が運営しているからといって、すべての情報が無条件に共有されるわけではありませんが、複数のサービスを利用するときは、それぞれの設定だけでなく、アカウント間の連携にも注意が必要です。
7. 私たちが確認しておきたいこと
個人情報を必要以上に提供しないために、次の設定を確認しておきましょう。
- LINE:友だち自動追加、電話番号による友だち追加
- Facebook:連絡先のアップロード、プロフィールの公開範囲
- Instagram:連絡先の同期、おすすめアカウント、アカウントの公開範囲
特に、連絡先の同期を停止しても、すでにアップロードされた情報が自動的に削除されるとは限りません。必要に応じて、アップロード済みの連絡先も確認しましょう。
自分の情報だけを守ればよいわけではない
私たちは普段、SNSやメッセージアプリを便利な連絡手段として利用しています。しかし、サービスが扱っている情報は、自分の氏名や電話番号だけではありません。
- 自分のプロフィールや連絡先
- スマートフォンの電話帳に登録されている他人の情報
- 誰と誰がつながっているのかという人間関係
- どのような投稿を見て、誰をフォローしているのかという利用履歴
- どのような情報に興味を持っているのかという傾向
こうした情報が、サービスの機能やおすすめ表示、広告配信などに利用される場合があります。
通信が暗号化されているからといって、個人情報の取り扱いまですべて安全というわけではありません。
通信の安全性、個人情報の取得と利用、スマートフォンやアカウントの管理は、それぞれ別の問題です。
自分の情報を守ることはもちろん、自分の電話帳に登録されている人や、仕事で関わる人たちの情報についても考える必要があります。
便利なサービスだからこそ、どのような情報を提供し、どのように利用されているのかを知ったうえで使うことが大切なのではないでしょうか。
参考・公式情報
- LINEヤフー プライバシーポリシー(電話番号・アドレス帳などの取り扱い)
- LINE Letter Sealing(レターシーリング)について(メッセージの暗号化)
- LINEヤフーの開発体制・データ管理体制(データの保管場所や管理方法)
- Meta プライバシーと情報セキュリティ(Facebook・Instagramの情報管理)
※各サービスの機能や個人情報の取り扱いは変更される場合があります。最新の情報は各社の公式ページをご確認ください。
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