RGBとCMYKは、
色を表現する方法(カラーモード)
ですが、それぞれ使われる目的や仕組みが異なります。
RGB(Red, Green, Blue)
=光の三原色で構成される「加法混色」方式。
主な用途
デジタル表示(モニター・スマホ・テレビ・Webなど)
色の混ぜ方
色を「加える」ことで白に近づく(加法混色)
色の再現範囲
広い(鮮やかな発色が可能)
表現できる色数
約1,670万色(256階調 × 3色)
CMYK(Cyan, Magenta, Yellow, Key/Black)
=印刷のための色で構成される「減法混色」方式。
主な用途
印刷(チラシ、ポスター、本、名刺など)
主な用途
印刷(チラシ、ポスター、本、名刺など)
色の混ぜ方
色を「重ねる」ことで黒に近づく(減法混色)
色の再現範囲
RGBより狭い(ややくすんだ発色になることも)
表現できる色数
約1,000万色程度(理論上)
もう少し
RGB → モニターで見る鮮やかな写真やWebデザイン
CMYK → 実際に印刷したときのちょっと落ち着いたトーンの色
RGBのまま印刷すると、色がくすむ・変わる可能性があります。
印刷前にRGB→CMYK変換して調整するのが一般的です(PhotoshopやIllustratorで対応可能)。
違いは?
RGBとCMYKの違いは「光をどう使って色を見せるか」の違いです。
RGB
RGB:「光を直接見て」色を感じる(加法混色)
RGBは、モニターやスマホのように自分で光を出すもので使われます。
赤・緑・青の光を加えるほど明るくなって、最終的に白になります。
「発光している光を目で見る」方式
CMYK
CMYK:「光を反射させて」色を感じる(減法混色)
CMYKは、紙の上のインクが光を吸収・反射して見える色です。
白い紙にインクを重ねるほど、光が吸収されて暗くなる(黒に近づく)。
「外からの光が当たり、その反射を目で見る」方式
光の方向
RGB(加法混色) 目に直接届く光(モニター発光)
CMYK(減法混色) 紙に当たって反射する光
色の見え方
RGB(加法混色) 明るく、鮮やか
CMYK(減法混色) 落ち着いた、自然な
なぜCMY(シアン・マゼンタ・イエロー)だけでは真っ黒にならないのか?
減法混色では、CMYをすべて100%重ねれば「黒」になるはずです。
理由:Cは赤を吸収、Mは緑を吸収、Yは青を吸収 ⇒ すべての色を吸収 → 黒になるはず!
でも現実では「濁った茶色っぽい黒」にしかならない
・実際のインクは理想的に色を吸収できない(不完全)
・インクを重ねると、にじみやムラが生じやすい
・印刷機の構造上、黒の輪郭がはっきり出にくい
そこで登場するのが「K(ブラック)」です!
K = Key plate(キープレート)=黒インク
CMYだけでは出せないしっかりした黒・シャープな文字や線を表現するために追加されたのがKです。
なぜ「B(Black)」じゃなくて「K」
・RGBの「B(Blue)」と混同を避けるため
・印刷の版(plate)で、最も重要な輪郭を担う「Key Plate」が黒インクだから
RGBのデジタルカメラで撮った写真が、CMYKに変換しなくても印刷できるのはなぜか?
ユーザーがCMYK変換しなくても、プリンタやラボが自動で処理してくれるからです。
デジタルカメラの画像データ → 基本的に「RGB」
デジカメ、スマホ、スキャナなど、すべて光を使うのでRGB形式で保存されます(JPEG、PNGなど)。
モニターで見るときはもちろんRGBのままでOKです。
印刷はプリンタ側で自動的に最適なCMYKに変換して印刷しているのです。
写真プリントサービス(DPEやネットプリント)でも同様
コンビニのプリント機や、富士フイルム・キタムラなどの写真プリントも、RGB画像を前提に設計されています。
これらの機器も、最終的にはCMYKまたは独自のプリント方式(銀塩など)に変換していますが、ユーザー側がCMYKにする必要はないようになっています。
CMYKが必要なケース
商業印刷(パンフレット・チラシ・書籍)
理由:色の厳密な管理が必要。プリンタが使うインク量を調整したい。
グラフィックデザイン(IllustratorやInDesignでの印刷物)
理由:実際の印刷結果と画面の色味を近づけたい。
印刷所への入稿データ
印刷所がCMYKを要求してくる場合がある。
まとめ
RGBとCMYKは、それぞれの特性に応じて使い分けが必要なカラーモードです。
RGBは「光を直接見る」加法混色方式で、モニターやスマホなどのデジタル表示に最適。鮮やかな発色と広い色域が特徴です。
一方、CMYKは「光を反射して見る」減法混色方式で、印刷物に適した色の表現を可能にします。実際のインクの特性により、CMYの3色だけでは真っ黒が出せず、精度の高い黒を表現するためにK(ブラック)が加えられています。
写真やWebなどRGBで作成されたデータも、印刷時にはCMYKに自動変換されますが、商業印刷や厳密な色管理が求められる場面では事前にCMYKに変換して調整することが重要です。
つまり、「RGBは光の世界」「CMYKは紙の世界」。それぞれの使いどころを理解し、最適な色表現を選ぶことで、デザインや印刷の品質が大きく変わります。
RGBとCMYK、それぞれの特性を理解し、使い分けることは、デザインや印刷のクオリティを高めるうえでとても重要です。
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