レンズの性質を知れば、写真はもっと整う
スマホ写真、なんか歪んで見えるのはなぜ?
テーブルに置いたお気に入りのカップ。
スマホで撮ってみたら、
「あれ?なんだか楕円っぽい……」
「お皿のラインが歪んでるような……」
そんな経験、ありませんか?
料理や器、小物をまっすぐ置いたつもりでも、写真にするとどこか“ねじれた”ように見える。
それ、あなたのせいじゃありません。原因は、スマホの「レンズの特性」にあるんです。
スマホのレンズは“広角”だから歪みやすい
スマホのカメラに搭載されているレンズは、広い範囲を写すために「広角レンズ」であることが多く、その構造上、画面の端にいくほど歪みが出やすいのが特徴です。
風景や集合写真を広く撮るには便利だけど、
“平面をまっすぐ撮りたい”
テーブルフォトでは、この歪みがかえって気になることも。
歪まないテーブルフォトを撮るためにできること
スマホを“水平”に構える
特に真上から撮る(フラットレイ)ときは、スマホのカメラとテーブルの面が完全に平行になるよう意識を。斜めになっていると、レンズの歪みが強調されてしまいます。
iPhoneなら、グリッド表示をONにすると、真ん中に「+」マークが出てきて、上下の位置が合えば色が変わる“水平ガイド”になります。このガイド、侮れません。
画角は“端”を避ける。中央を使う
レンズの歪みは、画面の端で強くなります。だから、写したいお皿や小物は、なるべく中央に配置するのが基本。
背景や余白を作りたいときも、メインの被写体が「どこにあるか」に気を配るだけで、写真の印象はかなり変わってきます。
1x(標準)だけでなく、2xや3xも有効(iPhone)
「スマホは1x(等倍)が基本」と言われることもありますが、iPhoneの2xや3x望遠レンズは“歪みにくい”という大きな利点があります。
望遠レンズは画角が狭いぶん、広角特有の引っぱりやゆがみが起きにくく、お皿やグラスの縁も自然なラインで写ります。
【POINT】
0.5x(超広角):歪み大。避けたい。
1x(標準):画質・バランスの良い基本。
2x / 3x(望遠):歪みが少なく被写体も自然。
ちょっと離れて2xや3xで「引き寄せて撮る」のも、テーブルフォトでは立派なテクニックです。
“斜めから”は構図が命
真上ではなく、斜め45度くらいの角度で撮る場合は、スマホの傾きに細心の注意を。
少しのズレが、写真全体のバランスを崩してしまいます。
傾けすぎると、奥行きは出ても不自然な遠近感が出やすくなります。
被写体の中心部が、スマホ画面の中心にくるよう意識して構えると◎。
手ブレを防ぐために“固定”する
歪みと同じくらい、テーブルフォトで目立ちやすいのが「ブレ」。
特に望遠(2x/3x)で撮るときは、少しの手ブレでもピントがずれやすい。
おすすめは、
・ミニ三脚
・スマホホルダー付きのライトスタンド
なければ、肘をテーブルにつけて脇を締める
固定することで、構図も安定し、撮るたびに微妙に変わるブレや歪みを抑えられます。
光がきれいなら、歪みも気にならない?
写真の“美しさ”において、光の質はとても大きな要素です。
自然光が柔らかく入って、影が穏やかに落ちるだけで、多少の歪みなんて気にならなくなることも。
レフ板代わりに白い紙を使ったり、窓のそばで逆光にならない位置を探すのも、素敵なテーブルフォトへの近道です。
撮ったあとで整える。アプリ補正も味方に
どうしても気になる歪みがあるなら、あとからアプリで補正するのもひとつの手段です。
「完璧な一枚を撮る」だけでなく、「あとから整える」という選択肢を持っておくと、撮影時に余裕ができます。
歪み=悪ではない。写真に必要なのは“整い”より“気持ちよさ”
最後に。
ここまで“歪ませないコツ”を色々書いてきましたが、歪みは必ずしも悪いものではありません。
目の前の光がきれいで、料理が美味しそうで、あなたが「撮りたい」と思った瞬間があるなら、多少の歪みなんて、むしろ味になることだってあります。
整いすぎた写真より、ちょっとした“抜け感”のある写真のほうが、心に残る――そんなことも、よくあるんです。
まとめ
テーブルフォトは“丁寧に撮る”ことが一番の歪み防止
・スマホを水平・中央・固定
・レンズの性格(広角/望遠)を知る
・光を読む、構図を整える
・撮影後の補正も遠慮しない
そしてなにより、
「撮ることを楽しむ」
スマホでのテーブルフォトは、ちょっとしたコツで驚くほど整います。
でも“整えるためだけ”に撮らないでください。
あなたの「いいな」と思った瞬間を、そのまま写真に残していくこと。
それが一番大切なのだと思います。