AIとの会話は「秘密」ではない? 知っておきたいプライバシーリスクと安全な使い方
AIチャットボットを、検索や文章作成だけでなく「相談相手」として使う人が増えています。分からないことを聞いたり、仕事のアイデアを整理したり、悩みを言葉にしたり。人に相談するよりも気軽だからこそ、AIにかなり個人的なことを話している人も少なくありません。
そんなAIとの会話について、あらためて考えさせられる記事がCNET Japanに掲載されています。「AIとの会話は『秘密』ではない 知っておくべきプライバシーリスクと対策」という記事です。
AIに「秘密」を話す人は3人に1人
記事では、DuckDuckGo Researchの調査を紹介しています。米国のAI利用者の32%が、友人や家族、医療従事者など、誰にも話していない秘密をAIチャットボットに打ち明けているという結果です。AIを「相談相手」として利用する人が増えていることが分かります。
「相談」と「データ送信」は違う
しかし、ここには一つ大きな問題があります。人間に話すときの感覚では「秘密の相談」でも、AIに入力した瞬間、それは企業のシステムに送られるデータになります。AIサービスによっては、会話が保存されたり、AIの改善や追加学習に利用されたりする場合があります。また、法人向けのAIサービスでは、利用環境によっては企業側が会話データにアクセスできる可能性もあります。
さらに記事では、裁判や犯罪捜査の過程でAIとの会話記録が利用された事例にも触れています。つまり、「誰かに話している」という感覚と、「企業のサーバーにデータを送っている」という現実には、大きな違いがあります。
「相談相手」としてAIを使っていても、その会話が人間同士の「秘密の会話」と同じとは限りません。
AIが「相談相手」に見えるからこそ
AIが人間らしく応答するようになるほど、この違いは見えにくくなります。「相談相手」のように感じるからこそ、つい自分の事情を詳しく説明してしまう。家族のこと、仕事のこと、お金のこと、健康のこと、人間関係のこと。検索エンジンには入力しなかったような情報まで、AIには話してしまう。そこに現在のAIならではのプライバシーリスクがあります。
AIを使わない、という話ではない
もちろん、この記事は「AIを使うな」と言っているわけではありません。重要なのは、AIに何を話しているのかを意識することです。氏名、住所、電話番号、パスワード、顧客情報、会社の機密情報など、第三者に知られて困る情報は、基本的に入力しない。また、利用しているAIサービスの設定を確認し、会話履歴や学習への利用について把握しておくことも大切です。
さらにプライバシーを重視する場合には、クラウドではなく、自分のパソコン上でAIを動かす「ローカルAI」という選択肢もあります。
これから必要になる「預ける情報」の意識
AIは、これからますます私たちの身近な存在になっていくでしょう。だからこそ、「AIは便利だから何でも話していい」のではなく、「これは誰に、どこまで預けている情報なのか」という視点を持っておく必要があります。
AIとの会話は、とても個人的なものに感じられます。しかし、その会話が本当に「秘密」なのかどうかは、利用しているサービスの仕組みを理解してから判断した方がよさそうです。
今回紹介したCNET Japanの記事では、AIチャットボットのプライバシーリスクや、会話データがどのように扱われる可能性があるのか、さらに安全に利用するための対策について詳しく紹介されています。AIを日常的に使っている人ほど、一度読んでおきたい内容です。
